おすすめリンク

ときには退塾=塾をやめることで成績があがる

教師写真 塾の裏側
おすすめリンク

塾をやめて成績が上がった子ども

ある生徒の話

良助君(中学2年生バスケ部週英語と数学で一回の通塾定期テスト平均360点くらい)

とても部活がハードでしかも通塾に車で30分くらいかけていました。時には授業に出られないこともあり出席率は7割くらいでした。授業はまじめに受けていましたが今一つ成績が上がらない。2学期の中間テストが終わりお母さまより退塾の申し出がありました。

『成績も上がらないですしあの子自身やる気がなさそうなのでやめさせようと思います。』

私の評価は彼は頑張っていると思っていました。そもそも考えてください。部活で朝練をして、そのあと勉強。またそのあと部活。そして塾。

我々大人で考えると早朝出社してそのあとハードにジムで運動した後自己啓発セミナーに通うようなものです。

これをこなしているだけでも凄いと思います。そんな彼が「やる気がない」という評価を母親からされているのは、他でもない私の責任です。何とか成績が上がってほしいということで1回3時間の「個別補習」を組みました。当時集団塾に勤めていたので「個別補習」というのは特別なものです。そう何回も組むことはできません。しかし「個別補習」を数回組んで成績が上がるなら魔法です。魔法使いはこの世に存在しません。与えられた条件は週一回の通塾と数回の「個別補習」。良助君の予定により結果として「個別補習」は一回しか組めませんでした。この状況で成績を上げるためには「家庭学習」しかありません。でも考えてください。部活がハードです。「課題」を出してやってきなさいは誰でもできます。そして何より無責任です。そこで3時間の「個別補習」で魔法をかけることにしました。先ほど魔法使いはいないといいましたが一つだけ「言葉の魔法」があります。その魔法をかけるために3時間のうち2時間は他愛もない会話に費やしました。

魔法をかけるためには子どもが何を考え何を大切にしているかを知らないとかけることができません。

魔法をかける個別補習は雑談

『良助君バスケ部だったっけ』

「そうだよ」

『楽しい?』

「楽しいよ!小学生のころからやってるからね」

『そうなんだ。高校いってもバスケやるの?』

「そのつもりなんだけど・・・」

『どうした?』

「その高校高いんだ(偏差値)」

『そうなんだ・・・。どこの高校?』

「○○高校(県内トップ校)」

『あぁ!強いもんね!』

ということで志望校を聞くことができました。お母さまも志望校は知りませんでした。というのも「無理だろう」という考えが本人にあったからです。もちろん今のままの成績では無理でしょう。彼の中では葛藤がありました。バスケット・勉強両方頑張らなくてはいけないけど疲れて勉強が疎かになっているという。ですので良助君からもっと話を聞かないと魔法にはかからないと感じました。

「あっ!そうだ同じ中学の一つ上で康太君知ってる?」

たまたま私の塾に同じ中学の一つ上で学年一番の康太君(剣道部)という生徒を担任していました。

『知ってますよ!あの人めっちゃカッコいいですよね!』

「そうか?お世辞にもイケメンとは言えないと思うけど」

『いや、マジでカッコいいですよ!勉強だけじゃなく部活すごいらしいですよ』

「違う部活なのに知ってるの?」

『知ってますよ!剣道めっちゃ強いらしいですよ!』

「そうなんだ。やっぱり憧れる?」

『そりゃそうっすよ!』

口調からも興奮が伝わってきました。私も口調を変え少しフランクに

『でもさ良助も中2でしょ?後輩いるでしょ?』

「そりゃあ」

『そうすると今良助が先輩の康太を見ているように、後輩も良助のこと見てるんじゃないの?』

「・・・」

『良助は後輩から「良助先輩バスケすっごいうまいけど馬鹿だよな」っていわれるのと康太みたいに「良助先輩バスケも勉強もすごいんだよ!」って思われるのどっちがいい?』(注:馬鹿というを言葉はあえて使っています)

「そんなんバスケも勉強もすごいほうでしょ!」

『だったら勉強やれば?』

 

 

「そうっすね・・・」

『というか塾辞めちゃえよ!』

「えっ?」

『だってさ週一回の授業だって来れないときあるし、何より通塾時間がもったいないでしょ?』

「そんなことできるわけないじゃん!」

『なんで?』

「おかあさんがダメっていうに決まってんじゃん!」

『別に母親のために来てるわけじゃないでしょ!しかもお母さんもお母さん自身のために行ってもらってるわけじゃないでしょ!』

「・・・」

『じゃあさ定期テストで500点中420点取ったらやめるようにお母さんと話すわ!』

「マジっすか?」

『うん。ただし部活引退したらすぐ戻ってくるのと400点切ったらすぐ戻ってくる約束だけどね!』

「わかった!」

良助君のポテンシャルを考えてトップ校を目指すために必要なギリギリのラインでした。話をした後「一次関数」を少しだけ教えてあげて「個別補習」は終わり。

魔法をかけた後のテスト結果

結果は見事「432点」で420点を超えてきました。これが子どもの力です。正しい方向に力を向かわせるためにどのようにしたらよいか。それが私が教えるときに使うMAPS(Motivation Approach System=モチベーション・アプローチ・システム)という手法です。塾に来ているだけでは絶対に成績は上がりません。でも子どもがモチベーション(やる気)をもって取り組むと週1回でも成績は必ず上がります。そのために子どもが何を考えていて、何を大切にしているかを知らなくてはなりません。テストの数字を上げたければもっと本人をよく観察してください。そうすれば子どものやる気は無限に上げられます。ちなみにその後、約束通り塾を辞めさせました。お母さまは残らせたいとおっしゃっていましたが辞めてもらいました。この約束を守るという行為も非常に大切です。子どもは大人との約束を覚えています。そしていつでもジャッジしています。「この大人は信用していい大人か」。大人の言うことを聞かなくなるのは言っていることとやっていることが違うと子どもが感じた時です。そしてこちらが約束を守ると子どもも守ろうとします。(破るときもありますが・・・)良助君も約束通り400点を切らずに引退後塾に戻ってきました。そして見事合格しました。

退塾する勇気

時には塾をやめることも選択肢の一つとして持ってください。

子どものモチベーションをつくるのに塾をやめてほかのことに打ち込ませることがあります。しかしこれは非常に勇気のいることです。塾をやめたら塾でやっていた時間すら勉強しなくなるのではと心配されることでしょう。実は子どもも「塾に行っているから大丈夫」という思いの子どももいます。それで成果が出ているなら問題ないですが成果が出ていないなら「お金の浪費」です。それともっと重大なことは「自分は勉強できない人間だ」という思い込みも生まれてくるということです。この「自分は勉強できない人間だ」という思い込みはそのうち「勉強できなくても仕方がない」という考えに変わっていくことが多いです。そうなる前に対処することが大切です。しかしただ単に塾をやめさせるのでは意味がありません。もしかしたら「子ども自身がそれを望んでいる」場合もあるからです。良助君の場合は勉強よりも部活に専念させたほうが伸びると確信したからです。ですので慎重に行いましょう。もし相談できるプロが周囲にいないのであれば私にお気軽にご相談ください。

どういう子どもが辞めてもいいか

他のことに熱中している子どもは辞めても勉強を伸ばすことは可能です。しかしせっかく塾に行っているのであれば辞めるときに条件を出してうまく勉強に向かわせるようにしましょう。そこが塾講師や教師・保護者の腕の見せ所になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました